世界の車窓から

青蔵鉄道という、中国とチベット自治区をつなぐ最長1956kmの高原鉄道があります。

3000m、4000mの山をいくつも越え、鉄道の世界最高到達点5072mまで登ってゆきます。

車内はきれいとは言えませんが、結構快適です。お弁当も熱々のを注文できました。

高山病にならないように、気圧調節されています。1つのボックスが6人寝られる寝台になっていて、私は最上段、マコトは中段でした。寝心地はバスより快適。揺れないし、足を全部伸ばせる。同じツアーの日本人2人と、四川から観光できているおばちゃん2人と一緒のボックスでした。

上段と中段は、起き上がると頭が天井にぶつかるので、昼間はだいたい、下段の寝台にみんな座って話しています。途中別の席のおばちゃんが乱入して話したり、車窓から流れる景色もどんどん変わっていくので、飽きません。

民家が消え、

動物も消え、

緑が消え、

そして、一夜明けると、あたりは雪景色になりました。


途中3回、10分程停車駅のホームに降りることはできましたが、成都を出て列車に揺られること43時間。

チベット自治区の第一の都市ラサに到着しました。標高3600m。

チベット自治区へは、外国人は未だに、入域許可証がないと入れません。許可証をもらうには、あらかじめ、チベット自治区での滞在期間を決め、どこを周るかスケジュール表を中国政府に提出し、かつ、車をチャーターし、現地のガイドを手配しないといけません。費用もかなりかかります。誠さんが出発の3か月前から中国の旅行代理店と面倒くさいメールのやり取りを50通ほどしてゲットしました。

それでも、チベットは行きたかった。

理由は、これまで映画や本、ネットで見聞きしてきた情報があまりに不確実だから。分からないが故に、その歴史や宗教、人々の暮らし、現状をこの目で見ておきたいという気持ちを駆り立てる国。

そして、今日、無事、ついにチベットに入ることができました。

実はおとつい出発間際、冷や汗をかいた出来事がありました。成都駅の公安(中国police)のチェック場所で「君、入域許可証に記載してあるパスポート番号が1ケタ違うよ!これじゃチベット行きの列車に乗せられない!」と言われて、そんなことあるはずない・・とよく見ると、本当に番号が1ケタだけ間違っている!ガビーン(゜o゜)。泣きそうになりました。公安が旅行会社に問い合わせたところ、政府に申請する時に記入ミスをしていたことが判明し、一緒のツアーの日本人の方が中国語が話せるので、何とか「飯貝はチベット入域を許可するに値する人物だ」と証明できて、数十分後には改札を通してもらえましたが。もう、こわい。
それくらい、チベット自治区は、公安の目がギラギラしているのです。

でも、いま、無事、入れた!出迎えてくれた、ツアーガイドのお兄さんと青空と強い日差し!

うかれて町中をぷらぷら散歩したい気分ですが、先週の色達で高山病にかかり痛い目にあっているので高地に身体をならすためにも今晩はゆっくり休みます。

おやすみなさい。。

Now Playing:ケツメイシ「トレイン」