大阪 おんな ひとり酒

たまにのひとりもいいものだ。
結婚式で兵庫来たから、ついでに大阪にもう一泊しましたとさ。
大阪来たから、やっぱり粉もの食べたい!
ってことで、宿の近くの商店街の角にある「甘辛や」というお好み焼き屋へ。
うす暗く、すりガラスで中の様子わからないので多少躊躇しましたが、赤いのれんをくぐりました。
使い込んだ鉄板に囲まれたカウンターから旦那さんとおそらくその奥さんと、ちょっと不良っぽい息子が「いらっしゃい」。家族経営のお好み焼き屋さんかな。
メニューが店内の壁いっぱいに掛けてあるけど、とりあえず
豚玉500円頼んだよ。ドリンクはものすごい寒い日やったから焼酎ね。
メニューに焼酎なかったけど「焼酎お湯割りありますか?」って聞いたわよ。
そんなんもできるようになったわ30歳だもの。
「麦と芋どっちにします?」
そうだ、そうだ、いまどきのおしゃれ居酒屋とは違う、銘柄なんてないわよね、「麦か芋」二者択一。究極の選択だわね。
わたし、「芋」にしました。
芳ばしいのがほしかったのね。
右隣のおじさんがちらっと横目で私の方見たのわかったけどそんなんへっちゃらよ。
店の天井近くにあるテレビを、なんとなく見ながら、待ってるのね。その雰囲気。大阪ってかんじ。
そのおじさんは、スマホで野球中継か競馬見てるね。「ちっ」とか「よぅし、よぅし」ってつぶやいてらっしゃるもの。
奥には、一列に3人並んだ家族。日曜の夜だもんね。家族の行きつけなんだろねこの店は。
左隣の熟年カップルは会話ないね。
わたしは、芋焼酎を体に染み入らせて、ほんのりあったかくなってきてました。
そこへ登場、豚玉ちゃん。「お待たせ」ってご主人。
表面の豚がぱりぱりに焼けてまして、上にソースと、マヨと、あと、これは初めてケチャップもかかってるのよ。

鉄板の上でコテで切ってお皿へ。お口へ。
うまい。うまい!うまーーーーい!ぱくぱく。
なんだか、焼酎のせいか、気分もよくて。
いろいろ、思い出していたのさ。
昨日のいっちゃんの結婚式とか。かわいかったなーー!って。
あと、披露宴の新郎新婦ご入場〜のBGMがドリカムの「大阪Lover」やったなーって。
わたしの思い出の曲なり。
『近そうでまだ遠い大阪〜』ってやつですよ。知ってますか
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=A02059
大阪の恋。
学生時代、旅先のタイで出会った関西人T君。帰国後何度も会いに行きましたよ。
あぁ青春。青いね!若いね!楽しかったけど辛かったね!恋しくて憎らしい大阪!
名曲!これぞ名曲!
そんな、
こんなで追加で「ねぎたこ焼き」と「牛すじコン」を頼んで、もういっぱい芋焼酎いきましたよ。
出るとき「おおきに〜」って。大阪やねーー。

宿はね、節約のためゲストハウスに泊まりましたの。
大阪にはたくさんゲストハウスがあって、一泊2500円くらい。
安いよね。部屋やお風呂やなんかは共同やけど、わたし、バックパックで旅行して、ホテルでまともに泊まれなくなりました。
安いだけじゃなくて、いろんな人と出会えるし、気楽やし。
今回泊まったのは大阪の阿倍野にある「おどり」というゲストハウス。
27歳の女の女将さんがきりもりしている、古民家を改装したところ。
「おどり」っていうのは女将さんがダンス好きやから。
ここがもう、ナイスでしたわよ。
掘り炬燵や、床の間や梁や、縁側やお庭がしっかりあって。静かで、清潔で、昔のおばあちゃんの家みたいな雰囲気。

しかも、ちょうど泊まったのが、この「おどり」さんがゲストハウスオープンして一周年の記念日でパーティしてましたよ。
こういうのついてるわよねわたし。ラッキー!
学生や、近所のおばちゃんや、F1ドライバー目指してる人とか、ジュエリーボックス専門に作ってる皮職人、首相の奥様とかそういう方をお客さんにした高級宝石デザイナーや、メイクアップアーティストとか、わたしみたいな旅人や、外国人がわんさか。
食べて飲んで楽しい夜でした。
世の中にはいろんな人がいるもんだ。
たまにのひとりもいいもんだ。